銀行の融資担当者は何している?

銀行業界

銀行の融資担当者は普段何をしているか、自分が今融資担当者であるなら、何をするべきかをお伝えしたいと思います。どこの銀行も融資担当者は重要な人財であり、銀行の力や力量の差が出る部分であるともいえます。

貸出残高を減らさない。(純増する)

まず支店に配属される融資担当者には担当先が割り当てられます。支店の重要先、大口先から業況厳しい先まで様々な取引先があります。優秀な融資担当者には重要先や、大口先が割り当てられる可能性が高かったりします。

また支店によっては単純にエリア毎に割り当てられたり、支店長や副支店長が大口先や重要先を担当したりすることもあります。

融資担当者がまず考えるのは、自分が担当している貸出先の合計金額を増やそうと考えます。例えば今期の3月末と比較し来期の3月末時点で増やさなければならないなどの目標値も割り当てられます。

そのため新しく融資できる先はないかと探し、考えるのです。なぜなら取引先からは毎月借入の返済があり、何もしないと貸出金額が減少していくからです。当然上位者からもきつく言われる場合もあります。

返済金額の合計より多く貸出ができれば担当者は勝ち、逆であれば担当者の負けとなります。まず銀行員は貸出が増えたか、減ったかで優劣、査定されます。よって必死に期末になると貸出の推進、担当者によってはお願いに回ることになります。

現代において、自然と営業していて貸出が増えるのは運が良かった以外に理由はありません。右肩下りの経済で企業は資金を必要とする機会は明らかに減っているからです。概ね私の経験上、100ある返済の内、70くらいしか通常においては貸出を行うことができないと考えます。

既存の融資取引先のみで増やすための選択肢は、無理矢理お願いして借りてもらう、季節性や大口受注、取引先が成長し増加運転資金が発生する、設備資金を取り込む。他行の肩代わり資金を融資する、などしかほぼありません。よって既存の取引先のみでは運の要素も非常に強く、限界があるわけです。

新規開拓

貸出を純増させるために、できる融資担当者は何を考えるか、新規開拓を推進するわけです。私もそう考えます。新規開拓を推進するためには投下する時間を多くする、より効率的に新規先をまわるの2点しかほぼありません。

既存先への対応には効率的に時間を使い、新規先に投下する時間を多く捻出します。残高上位先に対してはしっかりと担当者としての存在感を示し、残高を極力減らさないようにきめ細かに対応し、小口先はメールや電話などで定期的にフォローする程度に留めたりするなどメリハリをつけることです。

やはり銀行にとって大口の融資先と小口の融資先への対応の差は明らかです。小口先であれば途中で肩代わりされたり返済をされても大きな痛手とはならないからです。逆は取引担当はもちろん取引支店にとっても大きな影響があるため、しっかりと対応することとなります。

新規開拓に決まった方法はないとよく言われます。飛び込み訪問、電話セールス、紹介をもらうなど担当者によって違うし、支店や支店長によっても推進方法が違います。ただし最も効率的なのは既存先や税理士などから紹介をもらうことです。確実に会って話ができるからです。

銀行といえど、飛び込み訪問、電話セールスでは門前払いとなることが多々あります。新規開拓に時間を投下するという意味では紹介を駆使するべきかと私は考えます。

取引先(既存・新規)への貸出推進のために

取引先に対し貸出推進をするために、貸出以外の部分で銀行員は力を発揮、他行との差別化を図るべき。選ばれる銀行になるために融資以外でどれだけ取引先のためになるか、簡単ではないですが不動産や顧客の悩みを解決、必要としている情報を探し持っていく、販売先や仕入先を紹介するビジネスマッチングなどです。

取引先にとって、有益な情報、有益とはいかなくとも多くの情報や提案を持ってきてくれる熱心な担当者や銀行に自ずと惹かれていくと考えています。

私が貸出推進をする上で考えていたのは、過去の取引地位を上回るということです。準メイン先であったらメイン先になってやろう、下位行であれば上位行になってやろうと考え、そのためには何ができるか考え、行動することです。

自分が担当者として新規開拓した先はその時の経営者も自分も印象に残っており、覚えているものです。自分が新規開拓をした会社が成長し、上場したり有名になったりした時はとても嬉しいものです。

収益を確保

融資と収益確保これが銀行の売上確保に最も影響を与えます。そして現代においてはより収益が重要視される時代にあります。M &Aの手数料、シンジケートローンの組成手数料、コンサル手数料、外貨の取扱いに関する手数料、投資信託や保険の販売手数料などです。

M &Aやシンジケートローンなどは銀行の専門部署で取り扱うことが多いのですが、取引先の融資担当者がまずは情報をキャッチできることが必要となり、支店と本部が連携して対応することが多いです。当然収益が確保できた時はその取引先の融資担当者の収益になります。

まずは勉強している担当者か、知識がある担当者かどうかで差がでます。非常に幅広く、専門的なことも多いので、業務時間以外で自己投資をしたりも必要と考えます。優秀な担当者であれば収益を確保できそうな目線で、新規ターゲット先を選定できたりもします。

優秀で収益を多く確保した担当者などは、本部の専門部署へ異動したり、支店の推進役として一目置かれる存在となり、出世コースに乗ったりもします。

貸出も収益も、銀行のフロント業務でありいかに稼ぐかが営業担当者として評価されることは今も昔も変わっていないかと思います。結果が全てではない、過程も評価するということもいわれますが、過程が正しければ結果がでる、結果がでなければ過程が良くなかったともいえるでしょう。

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