就活生にとって銀行とコンサルどちらに就職するべきか、企業にとっても銀行とコンサルどちらに相談するべきかよく迷うことがあります。私自身、銀行で働いた経験しかないですが銀行とコンサルについて比較してみたいと思います。
最終的に金を出すかどうか
結論からになりますが、この最終的に金を出すかどうかの観点から、銀行の方が力を持っていると私は判断します。語弊を恐れずに申し上げると、お金が関わってくるとより慎重により真剣になるのは人間誰しも同じです。
銀行は経営者や経営に関して意見や指導を行います。それは融資を行うかどうか判断をするため、既に取引があれば、債権者として融資したお金を返済してもらうため本業の一貫として、当然やらなければいけないことと位置付けられると思います。
一方、コンサルはより高いレベでの指導を行うことはできますが、その目的はお金を他人から引き出すもしくはより良い条件に持ち込むなどが目的です。銀行などの金融機関に対し、コンサルをしている企業を紹介しているだけに過ぎません。
現場で働いていても、取引先にコンサルの紹介ニーズがあれば、銀行からコンサルを紹介することはありますが、是非コンサルティングをお願いしますと言うことはありません。コンサルを導入するかどうかの最終的な判断は取引先が行います。
会社の業績改善のためにはコンサル導入が必須という判断を、銀行が行うことは当然あります。どこのコンサルもコンサル手数料が欲しいため、銀行に手数料を払ってでも取引先を紹介して欲しいと考えているコンサルがほとんどです。よって銀行側がコンサルを吟味、選択、比較することができます。
一般的にコンサルは銀行と業務提携を結びたいと考えますが、銀行は例えば山田コンサルティングなど、実力、知名度の高いところしか業務提携を結びたいとは考えません。
また、新規の顧客などでコンサルを伴い相談に来ることがあります。私は特に審査にプラスと考えることはしません。冷たい言い方にはなってしまいますが、経営者の能力がないのか、決算書を読むことができない経営者なのかと考えたりすることもあります。
最後に銀行が知りたいのは、コンサルの意見、お墨付きではないのです。経営者の熱意、真摯に経営に取り組む姿勢なのです。
銀行の方が選択肢が広い
銀行からコンサルへの転職は十分可能。むしろコンサルは銀行出身者歓迎です。コンサルから銀行への門戸の方が圧倒的に狭く、人数も少ないです。
今後銀行員が専門コンサルと同等以上の高いレベルでの提案や問題解決ができるようになると、コンサルの必要性がなくなるのは明らかです。今どこの銀行も目指している姿、未来です。
コンサルは専門性がつくと考えがちですが、銀行も専門性をつけようと思えば十分につけることができる環境がある。自分次第です。
圧倒的な現場経験を積むことができます。
具体的にいうと、電話一本で気軽に社長にアポイントをとって、直接20代のうちから話をできるのは銀行員くらいです。コンサルはそこまで企業とのパイプがないです。
新規でセールスする時、どちらが門前払いの可能性が高いでしょうか。コンサルは、企業の経営改善、経営指導を行いますということが言えると思いますが、銀行は企業の経営改善、経営指導を行った上で、融資も行うことができますと言えます。銀行の方がお金を貸せるという強い武器があるのです。
銀行はお金しか扱っていないので、金利しか差別化を行うポイントがないと揶揄されることがありますが、昔の考え方です。銀行員だからこそ差別化ができるポイントがたくさんあります。
事業承継分野、海外進出、経営改善、この辺りの専門的な能力がある銀行員は必ず生き残るでしょう。
教育、研修制度
コンサルと銀行どちらが従業員の教育に時間、お金をかける企業なのか。圧倒的に銀行に軍配が上がると思います。
銀行は今現在においても新卒採用の割合が高く、中途採用の割合が低いです。それは何を意味するか、中長期的な人材育成のために予算を割いているということです。コンサルは中途採用、即戦力を求める業界です。すなわち新卒、若手の教育はあまり熱心ではないといえます。
ちなみに銀行に入って数年は外部資格、通信教育、集合研修など、一般事業会社に数年で転職したとしても社会人としての基礎はついていると思います。実際のところ銀行で数年勤めていただけで、基礎ができているとされ、信頼されることは事実です。
一昔前は、銀行員になると一律の同じ研修、勉強をさせられるという風潮がありましたが、現在は各人が将来目指す姿、キャリアプランを考えて、興味のある分野を選択できる道も広がってきています。
まだまだ堅い業界というイメージは払拭できませんが、個人の価値観、考えも反映できるような環境もできつつありますので、金融業界に興味のある方であれば銀行員として20代、30代を過ごすことは損はないと思います。
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