銀行員のキャリア

就職転職

銀行員が入行してから、引退まで。同期入社がどのようなキャリアを辿るのか、私自身が聞いた話や諸先輩がどうなっているかお伝えしたいと思います。銀行内で出世を目指す、早めに転職を決意するなど、キャリアは様々ですが自分を見つめ直すきっかけとなればと思います。

入行から引退まで

メガバンク、一般的な地銀を例に、同期入社においてまず第一段階で振り分けが行われるのが平社員から役席になれるかどうかです。概ね5〜7年目ではないでしょうか。役席とはある一定の権限が与えられ、行内においても一人前の銀行員として扱われます。大体1度の転勤は経験しています。

銀行員として一度転勤を経験しているかどうかが一人前かどうかの分かれ目ともいえます。また出世する銀行員は転勤も早いです。

当然、役席を経ていない限り、課長や副支店長、次長、支店長などの管理職になることはないです。必ず銀行員が通る道です。一昔前は一律、入行時からの年次で役席となれるかどうかの判断が行われていましたが、現在では年次に関わらず飛び級で役席になったりする制度も銀行によっては存在するようです。

厳しい銀行で同期で6割、通常では8〜9割程度で生涯のうち役席にはなれると思います。大手行になると、年収700万円以上には最低到達していると思います。

課長や副支店長、次長、役職が銀行によって様々ですが、支店長になる前に役席から2段階程度の昇格を経なければ、支店長になることができないのが一般的だと思います。

同期の内、役席になれるのは9割、次の段階に昇格するのが7割、更に次の昇格が3割5分、支店長には1割にも満たないというのが印象です。当然その後の本部の部長や、役員まで到達するのは同期で数名と数えられる程度といわれています。

昇格できなかった同期は40中盤以降、出向せざるをえないというのが銀行の人事です。関連会社や取引先に出されていきます。当然片道切符の出向になり、本人も出世、昇格ができず出向が早いということは30中盤くらいからわかってきてしまいます。

会社員として年収1000万円に到達する可能性が高い業界ではありますが、引退が早い可能性があるのが銀行員ではあります。

ただし、私はこう考えています。銀行の人事は運の要素が大きいと思いますが、本人がしっかりと同期の中で平均的な努力をしていれば、平均的に出世、昇格はできると思います。役席で銀行員人生が終わることはないでしょう。最低でも管理職にはなれるはずです。

最低限管理職になって銀行員を引退すべきです。年金や退職金、出向先の待遇に大きく差が出るためです。50歳で出向してその先10年以上働くということを考えると大きな差になってきます。

出向先の人生

出向先での人生は本当にその人次第としか言いようがないです。私自身、取引先で経理部長や財務担当の役員として多くの元銀行員と呼ばられる人と話、商談をする機会があります。

まずは銀行員として努力をしてきた人かどうか、そして何より大きいのは銀行員としての長年の凝り固まった考えや常識にとらわれず、必死で出向先に馴染もうと努力したり、自分がその出向先でどのように貢献していくか考えて働いているかです。

出向先で馴染めず、銀行に泣きついて戻してもらったりする例も多々あります。その出向先に問題があることもありますが、その人自身に問題があることの方が多いように感じます。長年の大企業で働いてきたというプライドが、中小企業での業務内容や考え方に合わせることができないのでしょう。

一方で私が担当していた、とある取引先に、私の銀行から出向していた方がおりました。その方は銀行員時代、管理職経験はあったそうですが、支店長経験がなく、若くして出向された方でした。出向当時、役員でもなく、部長ですらなかったそうです。

入社後は、経理関係の細かな事務処理から、決算書の作成、税務申告のやり方まで幅広く、地道に一から学んでいったそうです。銀行に勤めていた当時、そのような細かいことをするとは想像していなかったそうです。

その後、数年たち部長に昇格、取締役になっておられます。その会社の会長、社長からかなりの信頼を獲得するに至っています。決算書を拝見すると、65歳を超えてからも2000万円以上の役員報酬が計上されておりました。

その方は、第一印象とっつきにくい方でしたが、非常に謙虚な方で、銀行で20年以上お世話になり、社会人としての基礎、銀行員としてのいろはを学ばせてもらったからこそ、今の会社に出向でき、ここで活躍できているとおっしゃっていました。

仮に銀行内での出世競争に負けたり、評価されなかったとしても本人が努力をし続けていれば、環境が変わったり、上司が変わったりした時にその人をしっかりと認め、信頼、評価してくれることとなるのでしょう。

逆に誰かの足を引っ張ったり、うまく立ち回ってきただけの人であった場合、環境が変わった時に孤立したり、何も自分の力で乗り越えられないような人になってしまう可能性があるのだと思います。

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