銀行員の年収について考察していきたいと思います。私自身が聞いた話なども含まれますので、全てが正しいというわけではございませんが、これから就職、転職を考えている方などのご参考になればと思います。
年収ランキング
毎年様々なサイト、雑誌において銀行の平均年収ランキングがでると思います。上位は知名度が高く、資金量も多い銀行が名を連ねていると思いますが、データとして就職、転職の際に一般的に活用できるかは別です。注意してみるべき点などについてご説明します。
有価証券報告書をもとにした各銀行の年収を抜粋すると。ホールディングス、フィナンシャルグループなどといったものが上位に位置しています。何社か年収の高い企業を抜粋してみます。
第四北越フィナンシャルグループ(傘下が新潟県トップの第四北越銀行)、三井住友フィナンシャルグループ(三井住友ぎんこう、SMBC日興証券などを傘下に置く金融持株会社)、めぶきフィナンシャルグループ(傘下が茨城県トップの常陽銀行と栃木県の足利銀行)などがあげられると思います。
ここで注目するべきは、従業員数です。三井住友フィナンシャルグループは単体で2万人を超える人数ですが、一方で第四北越フィナンシャルグループは単体で数人、めぶきフィナンシャルグループは十数人です。
在籍している従業員の特徴としては、傘下となる銀行のエリートや将来の役員となるような幹部人材でしょう。執行役員なども含まれているのかもしれません。傘下の銀行などからの出向者が大半を占めていると考えられます。
平均年齢も高く、管理職、支店長経験者などが大半なのではと想定できます。データの母数にかなり偏りがあるといえるのが明らかです。実態をあらわしているとはいえず、就職・転職時の参考にはなりにくいといえます。
もうひとつ、銀行の年収の記載で注意してみるべきことは、銀行に在籍している全ての人が含まれているということです。有価証券報告書における正式なディスクローズにおいてもそうです。
全国転勤のある総合職から、地域限定職や女性が主体の担当職や一般職、エリア限定職などと言われる人たちまでです。
内情としては年収に大きな差があります。自分がどの職種、職域で入社するかで平均年収といわれるものから、プラスマイナスして考える必要があります。
銀行業界に身を置いていると、大抵わかってくることですが、一般的な商業銀行では、メガバンクの三井住友と三菱がトップ2です。同じメガバンクのみずほ銀行とはかなり差がある印象を持っています。
銀行の年収が高い理由
一般的に年収が高い業界として金融業界、銀行は大概あがります。なぜなのでしょうか。
よく言われる理由として、社員に不正や横領などをさせないようにするためである。人間は生活がギリギリになると魔がさすことがあります。そして銀行員は日々何千万、億単位のお金を扱うため、環境として他の業界よりも可能性が高くなってしまうのでしょう。
全ての銀行の平均年収としては現在600万円程度といわれており、日本人の平均年収と比較すると200万程度高くなっているのは事実です。
信用金庫になるとさらに50万〜100万程度平均年収が下がっていまうと思います。
ただ大手の信金である、京都中央信金、城南信金、岡崎信金などは銀行の平均年収を優に越します。やはりここでも金融機関は資金量が物を言うということがわかります。
話は戻りますが、不正がよく起こるのは、待遇があまり良くないと思われる地方の信金などが多いように思われます。不正をはたらく金額についても数百万〜1千万円、2千万円などです。金融関連の業界紙ではよく経済新聞などの誌面でもよく目に入ります。
大手新聞などで、大きく紙面をにぎわすのは大手銀行の社員が数千万〜億単位での不正をはたらいた時などになります。非常にフォーカスされますが、従業員の人数から考えると前者よりは非常に確率が低いと考えられます。
高年収であることが、一定の不正の抑止力などになっているとは思います。
経済産業省の官僚の持続化給付金不正問題も起こりました。たかだかとは言ったら申し訳ないですが500万程度で、今まで勉強を真面目に行い難関試験にも通り、地位も手に入れたのですが、一瞬で全てを無くしてしまいました。それほどにお金の力は人を狂わしてしまうということがわかります。
私自身も、若手時代にお金がなかった時には気持ちに余裕が持ててなかったと今非常に思います。営業担当者時代にお金で人が変わる社長などにもたくさん出会ってきました。
銀行員はお金を扱う以上、グリーンでなければなりません。ギャンブル、酒、女、基本的にこれらにはまり、消費者金融に手を出して、首がまわらなくなり、会社のお金に手を出してしまう。
昔聞いた話ですが、消費者金融の利用が多い職種は警察官などお堅い職業の方が多いということです。私の周囲にはいませんが、銀行など金融機関の職員もストレスでお金使いが荒くなり、そのようなものに手を出している方が実は多いのかもしれません。貧すれば鈍する、これはほぼ当てはまります。
各銀行の年収の印象値
そこで私が直接聞いた話、人伝に聞いた話、生の情報を一部お伝えできればと思います。
地銀について常陽、千葉、横浜、静岡、京都、福岡は待遇が良い印象があります。これらの銀行は支店長ではなくとも35歳〜40歳くらいでは1,000万に到達すると聞きます。
北洋、北陸、第四、七十七、八十二、群馬、大垣共立、広島、山口、 山陰合同、西日本シティ、伊予など(他にもまだあると思います)、上位地銀とは呼ばれないながらもその地域で大きなシェア、力を持っている地銀は数多くあります。母店クラスの支店長になれば優に1,000万は超えてくるとおもいます。
メガ3行は若干の差はあるとしても、平均的に仕事をし平均的に評価、出世していけば1,000万はいくでしょう。地銀と比較しても若くして到達すると思います。
あとは採用人数も少なく、就職最難関に位置付けられる、日本銀行をはじめ、政策投資銀行、国際協力銀行、農林中金、信金中金についても信金中金を除くと、どこもメガバンクより待遇は良いでしょう。(メガバンクの方が差がつきやすいため、トップ層はメガバンクの方が勝るかもしれません)超安定かつ超高待遇であり、銀行の中でも非常に人気が高い先です。
政府系の日本政策金融公庫も支店長クラスであれば1,000万到達するのではと思います。商工中金もメガより若干低いと思いますが上位地銀を超えてくる水準であり、優に1,000万を超えてくるでしょう。
銀行員は給料横並び、若いうちは給与面では差はつきにくい面もありましたが、今後はもっともっと差がついていくでしょう。業界として、今後どこの銀行も給与自体のベースアップは当面起こらないでしょう。(ベースアップとは定期昇給と違い、全社員の給料水準を一律で引き上げることです)
ただし、役職の昇格年次で大きな差がついてきます。優秀な若手が5〜10年先輩職員をどんどん追い抜いていく文化が浸透していくでしょう。そうならなければ、そのような評価体系をとらなければ、優秀な若手が流出しそしきは弱体化していきます。
業界として非常に厳しいといわれますが、トップ層・平均以上のパフォーマンスをしていれば、大幅な年収減少はすぐには起こらず、高水準が維持されるのではないかと思います。銀行業界は働かない、優秀な人たちに食べさせてもらっている人も多く、人件費の無駄が多いのでそれらにメスを入れる方が先でしょう。
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