信頼できない社長

銀行業界

銀行員として企業の決算書を見て財務、収支の内容を確認します。ただしそもそもどんなに決算書の内容が良くても信頼できない社長に対しては融資をしたくないと考えます。でも良い決算書と社長の能力、信頼性等はある程度相関関係があります。

部下・従業員のせい

業績が悪い、業績が改善しないことを部下、従業員のせいにする社長。中小企業は社長で99%決まります。社長のマネジメント能力、部下・従業員の育成能力、事業へ真摯に向き合っているかなどだと思います。

もし部下・従業員のせいにする社長はそもそも信頼されません。もしそれに気づいて改善しようとしない社長であれば資質がないのですぐに引退するべきです。もしそれに気づいていない社長がいたら、どうするか。

身内の従業員や役員が意思統一を図り、進言する、大抵は認めないのでしょう。そこで取引銀行、特にメインもしくはメイン取引に近い銀行が指摘するのです。債権者である銀行から社長に直接いうことで、社長が変わる例を多く見てきてきます。

業績悪化、これ以上社長が真摯に自分のやり方の間違いを認め、業績改善に取り組む意思を持たせること、それも銀行として重要な役割の一つです。これは役職が上位の管理職、支店長がしっかりと本気で伝えることが重要だと思います。

これができる上位者は少なくなっていきたかもしれませんね、本気で銀行業務に取り組んできたか、部下を裏切らずしっかりと向き合ってきたか、銀行員は定期的に異動があります、事なかれ主義が多く、大きなミス、失敗を避ける、部下のせいにしてのし上がってきた人は、このような場面で本気で相手に伝えられません。

誰しもミスや失敗はあります、社長としてのプレッシャー、従業員に弱みを見せれないという気持ちも理解できます。ただし本気で腹を割って対話をすること、部下・従業員も何かを感じ取ってくれるはずです。

私自身も会社員として、銀行員としてこの人のために働きたい、業績をあげたいと思う場面や、気持ちになることは自然とありました。社長はいかに周囲の人間を巻き込み、自身のフォロアーとなってもらえるか、社内外にファンを作ることができるか。

社長に人望があると一言で言うかもしれませんが、毎日の自身の行動、周囲への接し方などの積み重ねだと思っています。

結果が出ない

銀行の前では体裁をつくろう、バンクミーティングや決算説明会の場でポジティブであったり、良いことばかり発言するが、結果がついてこないパターンです。

嘘をついてその場を乗り切ろう、この場さえ乗り切ればあとは考えないなど、行動すらしていないパターンと行動はしているが結果が出ない。

後者は長く続くようであれば社長の能力不足、器ではない、もっと優秀な人に社長を交代するか、自身でゴルフや接待の時間削減し勉強するか、コンサルなど外部に入り込んでもらうことです。またコンサル手数料などは自身の役員報酬を削減して捻出してみて下さい。必死になると周囲もついてきます。

前者は周囲はすでに気づいています。従業員も周囲の利害関係者も賢い人は深く付き合わないでしょう。周りに呆れられる前に少しずつでも良いので自分を変える努力をするしかないです。倒産、身売りせざるを得ないなど取り返しのつかないことになることもあります。

決算書が読めない

自分の会社の損益計算書の売上、売上総利益、営業利益、経常利益、当期利益、売上総利益率、営業利益率。貸借対照表においても現預金、受取債権回転期間、固定資産、借入金、純資産の数値など基本的なものは頭に入っていて当然です。

頭に入っていないとは現状把握ができていない、経営戦略や事業の方向性を考えると思いますが、それを決算書の数値とリンクさせて考えるべきです。決算書は結果です、貸借対照表は過去の蓄積、損益決算書は1年毎の結果です。

決算書にある数値の結果が出ないのであれば、経営戦略や事業の方向性が違うと考え軌道修正もしやすくなる、あとは間違っていることに早期に気づける、方向性を変えるという判断を行いやすくなるなど、良い点が多くあります。

なので1年毎の決算書が完成するまでに月次で試算表というものを作成し、管理していくのです。少なくとも四半期毎には管理すべきですし、銀行からしてみたら最低限の管理です。ただし決算書、試算表を作成するのは税理士にお金を支払えば誰でも、どんな会社でもできます。

問題は作成されたものを社長自信が確認し、数値の推移、結果を理解し、今後に生かすことです。また要因を分析し、対外的に説明できないとなりません。

銀行に借入相談をする時や話をするときには、必ず経理担当者もしくは税理士等を同席させないと不安になるようでは実力不足である感が否めません。それは社長自身がそうであるか、そうでないかがわかっているはずです。

おすすめは銀行員が当然持っている、もしくはすぐにでも取得できるレベルの知識。銀行業務検定財務3級と簿記3級を取得して下さい。自身は現場でずっとやってきた、営業でずっとやってきたなどあるとご意見あるかもしれませんが、経営者目線で考えると決算書が読めるというのは最低限のスキル、能力です。

銀行員と話をする時に必ず税理士、経理部長などを必ず同席させる社長がいます。話をしなくても自信がないように見えてしまいます。

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