銀行業務検定試験

銀行業界

若手銀行員、信用金庫、地方銀行、メガバンク、その他金融機関(政府系、系統系、JA等)、あらゆる金融期間の職員が受験するマイナーな試験が銀行業務検定です。当然私自身もいくつか受験し、合格しております。そのため一般的な銀行員が有する知識、銀行の考え方などを理解するのに、企業経営者の方々にも役立つと思います。

難易度、勉強時間

銀行業務検定試験の難易度はそこまで難しいものではありません。3級と2級があります。(なぜか1級がありませんが、その理由はわかりません)、同時に受験することもできますし3級が合格していない中で先に2級を受験することもできたと記憶しています。

3級は選択式、2級は記述が含まれます。3級の試験は過去問を2〜3週すれば確実に合格します。少なくとも銀行に入社する程度の学歴があれば、問題ないと考える難易度です。

2級は記述式ですが、基本的には6〜7割程度は過去問と同様の問題、その他は初見の問題もありますが過去問の内容を理解していれば、半分は部分点がもらえる程度の難易度の問題です。とはいってもしっかりと勉強していないと2級は落ちることがあります。

銀行員として基本的な知識を得るためにまずは、財務、法務、税務、外為の3級に合格しましょう。この時点で大抵の経営者よりは銀行業務としての知識は上になります。少なくともその程度持っていないと話にならないレベルです。

次に財務、法務の2級は少なくとも取得した方が銀行業務を行う上で、より知識が深まると思います。決算書の内容、契約事務の面など、実務上で活用できる場面も非常に多いと思います。

最後に税務、外為の2級です。これはライバルの金融機関の営業担当者と差が大きくつけることができる知識習得に役立つと思います。税務2級と外為2級はそれなりに難しいです。信用金庫や地銀で2〜3年目の若手で取得したらそれなりに一目置かれるのではないでしょうか。

勉強時間等含めて一般の資格で置き換えると財務2級、法務2級、税務2級、外為2級=宅建、くらいな感覚かなという印象です。

個人差はありますが、財務2級で約150時間、法務2級で約60時間、税務2級で60時間、外為2級で50時間程度の勉強時間で取得可能なレベルに到達すると思います。当然知識がゼロベースですので、簿記などを取得している方であれば財務2級などは大幅に勉強時間が少なく済むことでしょう。

銀行業務検定はそれ以外の科目もありますが、自身の興味分野、キャリア等を踏まえ、取得を検討してみて下さい。勉強方法は全ての科目に共通しますが、ひたすら何も考えずに過去問をやることです。

銀行員あるあるですが、会社が終わった後に1時間勉強をするのも非常にだるく、やる気が出ないと思います。若手の銀行員にとって他にも通信教育など、やらなければならないことが沢山あります。

1つの試験はそこまで難しくないのですが、私自身平日に勉強時間を捻出するのが非常につらかったと記憶しています。最後は割り切って休日にまとめて勉強するようになっていきました。

差をつけるなら

基本的な銀行業務検定試験として財務、法務、税務、外為があります。それ以外で差をつけるなら事業性評価3級と、事業承継アドバイザー3級を取得することをお勧めします。

社内の調書作成、顧客との対話や提案力に差がつく分野であり、実務でも非常に役立ちます。私自身も取得しました。ある程度のベースの知識がありましたが、より深い知識の習得が図れたように思います。

現在、銀行業界において事業性評価の重要性ということが話題に出てきています。重要な顧客についてしっかりと事業性評価ができる融資担当者は優秀ですし、社内の調書にも説得力が増します。

事業承継アドバイザーは、中小企業が一番悩みを抱えているといっても過言ではない、後継者問題や事業承継の方法からM&Aまで幅広い知識を習得できるため、融資以外の提案力に非常に差がつきます。

そしてこの事業承継の問題は日本では今後も続くものであり、早い段階で基礎的な知識習得を行なっていくことは非常に重要です。

経営者にも役立つ

私はこの銀行業務検定試験は金融機関の職員以外にも、若手の起業家、数字面に弱い経営者も取得、勉強する意味があると思います。少なくとも銀行員がこの程度の知識を持って話をしてくることがわかりますし、基本的な銀行業務の話をふられても理解が早くなると思います。

この資格を取得して周りに誇れることはないです、銀行員にとっては当たり前の資格、むしろ金融機関に勤務する者以外には知られていないマイナーなものであります。

ただし起業経営者にとっても、最低限の金融知識を得るには何冊か本を読むより、より実践的で資格というよりわかりやすい指標となるため、取得してみることは有益であると思います。

数字に弱い、数字がわからない経営者はリスクとなります、そのことは銀行は認識しており、数字面での管理がしっかりできているか、理解しているかは銀行と経営者の面談時において把握しようとします。その最低ラインをクリアする上でも、銀行業務検定の財務3級は有益と考えます。

経営者の方にとっても、銀行員の方にとっても財務、法務、税務の3つは活用できる場面が多く、損はないものかと思います。

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