管理職になって感じること

銀行業界

私自身、10年以上、担当者、プレイヤーとして法人融資業務に従事してきました。その後は管理職としてマネージメントに携わるようになり、早数年が経ちました。プレイヤー=担当者とマネージャー=管理職について今感じることをお伝えしたいと思います。

プレイヤーとしての銀行員

入社後、全ての人が、支店配属であれ本部配属であれ、プレイヤー=担当者として数年間過ごすこととなります。私自身は支店配属でした。マネージャー=管理職となる上で、プレイヤーとしての経験値は非常に重要です。

プレイヤーの定義は様々ですが、担当先を持つ、担当業務を担い実務を行う、部下を持たない、人事評価をする立場にないなどがあげられると思います。

支店配属後は、本格的に営業担当者としてプレイヤーを任されたのは2年目からです。

担当先と担当エリアを前任の先輩職員から引き継ぎ、担当交代挨拶からはじめるわけです。法人融資の営業担当者として、一番の役割は担当先の融資残高を減らさないことです

当然会社の業績、状況、景気など、変動要因は多くありますが、担当している何十社の融資残高合計が増加したか、減少したかで、評価されます。残念ながら評価の大半は数字、結果でした。

それに加えて、新規開拓、手数料収入などの収益項目が達成できるかどうか銀行員としてプレイヤーとして、評価されます。今はやや変わりつつありますが、当時は数字をあげられるかどうかが全てといっていいくらい、非常に重視されていた時代でした。

銀行員はどこでも貸せば良いというわけではありません、一定の審査があり、多くの融資をするためには、あらゆる角度からその会社の信用力をはかるため、調査しなければなりません。

いかに効率よく、無駄をはぶき、わかりやすく調書を作成できるか、内部作業の能力も営業力と表裏一体となり、総合力が必要となると感じました。そしてプレイヤーとしての経験、苦労、喜びを痛感しました。

最も顧客との距離が近く、仕事をしていて顧客の表情、感情を共有することもでき、やりがいや仕事をしていて楽しいと感じる瞬間を最も味わうことができたと思います。

プレイヤー=新規開拓

融資残高、新規開拓、収益項目、預金項目など様々な目標がありますが、これらの中でプレイヤーとして最も平等なのが新規開拓です。

融資残高、収益項目は正直言ってその時のタイミングや運に左右されることがあり、1〜2年の短期間では実績が十分にでないこともあるからです。運、不運が非常にあります。

優秀な銀行員が意識している共通のことは新規開拓です。新規開拓ができているプレイヤーは、その後の達成しなければならないあらゆる項目に良い波及効果がでできます。

最もわかりやすいのは、既存の担当先の融資残高ぎ減少していても、新規開拓で融資をすることができれば、それらをカバーすることができます。

割り当てられた目標値ができない、その時にプレイヤーとして考えることは新規開拓を行うという意識を強く持つことです。他の項目はできないけど新規は支店でトップを目指す、全ての項目で負けてしまうという全敗は必ず避けられます、その後の結果もついてくるものです。

最終的に、優秀なプレイヤーは大都市圏などで、新規開拓を専門に行うような部署に異動となったりします。営業ができるプレイヤーということが、誰しもから認められる形になります。

マネージャーとしての銀行員

今現在、管理職としてマネージメントに携わっている多くの方はプレイヤー時代になんらかの成功体験や結果をだしてきたと思います。

ただし一方で私自身の経験から良いマネージャーになる上で、苦労や失敗を多く経験したり、自身で試行錯誤を繰り返してきたなど、ネガティブな経験もしっかりと積まれてきた方が良いと感じています。

それはなぜか、部下の気持ちがわかる、理解しやすいからです。マネージャーは部下の管理、マネージメントが主な業務になります。そこで最も重要なのはコミュニケーションになります。

部下の考え、気持ちの共有、しっかりと話を聞く、同じ目線で理解、話をするなど基本的なことですがそれでも、マネージャーによって大きく差ができてしまうと感じています。

最後に、自分がマネージメントで意識していることを書いてみたいと思います。

自分でやらない任せる。部下をしっかりと認める。広い視野を持つ。自分がプレイヤーだった過去のことを持ちださない(自分が若い頃は、などと自慢しない)。部下の意見をまずは受け止める。自分の気持ち、作業に余裕をもつ。

イライラしている時など部下に気付かれないようにセルフコントロールを行う。部下がコミュニケーション、報・連・相をしやすいような雰囲気の醸成。時には注意したり、言いにくいことを部下にしっかりと伝える。それらを通じて、部下を成長させる人材育成を行う。

自分1人でやることができる数字、結果は組織にとってはしれています。それよりも何人かいる部下の力を最大限引き出し、何倍もの効果、結果を出すことがマネージメントの役割と考え日々行動するようになりました。

現在の部下にとって自分が意識していることがどれくらいできているか聞いてみたいですが、なかなか聞けないので、日々少しでも成長できるように自己研鑽を積むしかないのかなと思います。

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