不動産融資

専門知識

今回は不動産融資について、特に家賃収入を見込んで収益物件取得を行う際に気を付けるべきこと。銀行がみるポイント、私の考えについてお伝えさせていただければと思います。

気をつけること

まず、個人や経験がない、もしくは浅い事業者が収益物件を取得しようと考える時はやめておきましょう。もしくは物凄く慎重に考えるべきです。言葉を悪く言ってしまうと、自分は騙されるかもしれないと思った方が良いでしょう。スルガ銀行の不正融資などが記憶に新しいでしょう。

新聞、インターネットなどのメディアでは、取得したオーナーの成功体験などで溢れています。失敗だんよりも。結局は良いことしかかかれてないということです。

圧倒的に失敗する、もしくはリスクの方が高くあまり儲からないことの方が多いのが事実としてあります。さらには悪質な不動産業者、売主などはネガティブな情報を隠そうとします。

まず、取得しようと考える時、不動産業者などから物件を紹介してもらいます。この時点で儲からない物件であることの方が高いです。

ず覚えておくべきは、優良な物件は情報が表にでる前に、売れます。不動産屋は優良な物件を個人など、実績がない人に紹介しない。(一方で地主など、土地を持っていたり、金持ちにはより良い情報や話が持ち込まれたりします。お金のあるところにお金が集まってくるものなのです)

紹介される物件はオープンになっており、売れ残り、もしくは売れ残る可能性が高いもの。売れ残る可能性が高いもの、売れ残っているものとは、銀行の融資がつきにくい物件です。

逆に優良な物件とは銀行のフルローンが許可されるような物件です。ざっくりとしたイメージで新築物件で利回り10%を超えているようなもの(新築物件の利回りは6〜7%程度が平均的だと思います。)は優良な物件であり可能性が高いです。

不動産屋は、銀行融資が通るように顧客に説明するため、収益シュミレーションをだしてきますが、銀行がみると雑で、非常に甘く作られていることが多いです。

銀行がみるポイント、優良な物件とは

私自身専門的に不動産融資を担当してはおりませんが、少なくとも自分なら購入するかどうかの視点もおりまぜて、お伝えしたいと思います。

まず投資した不動産収益から銀行借入が返済できるか。これにつきます。逆にこれ以外は考えないです。私は不動産の担保価値などは最後にみます。

なぜか、不動産収益から銀行借入が返済できれば、その不動産は相場と比較し、高すぎる物件ではない、すなわち相応の価値のものを妥当な値段で購入すると言い換えられます。(厳密にいうと収益還元法と積算法の概念の違いがあるので、全て言い切れるものではありません。)

まずは自己資金を多額に投入するということを考えないでください。どんな物件でも購入できてしまいます。本当に良い物件かの見極めができなくなってしまいます。

単純に不動産収益のみで購入金額について全て返済可能かどうかを判断します。可能であれば良質な物件であることが多いです。良質な物件をより堅めに考えて、一部自己資金を投入するという流れで考えましょう。

私自身が考えるそれでは銀行借入を不動産収益で返済するときに加味する大きなポイントとしては、商業系か住居系か、東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌の中核都市か否か。新築か中古か。

土地の形状、道路の状況、隣接している物件、最寄り駅からの距離、時間など。

建物の構造、新築であれば建築単価、間取り、入居者の想定、近隣の人口推移。

年間家賃収入合計金額は近隣相場と乖離していないか。年数経過とともにストレスをどの程度かけてるか。

経費については計上漏れはないか。保険料、管理費、固定資産税などの税金。それらに加えて修繕費をどの程度引き当てしてるか。

銀行からの金利を何%でシミュレーションしているか。今は低金利ですが、このままいくとは考えず堅めに考えること。

判断するための材料、ポイントとして簡単な物件だとしてもかなりの情報量を集めていく必要があります。素人ではどの程度の情報量、そしてその情報が正しいのか正しくないのか、必要な情報かどうかなどの区別がつきません。

最終的にあらゆる角度から検証した不動産収益、すなわちCFで建物の減価償却残存期間内に銀行融資を返済できれば問題なしという結論になります。

不動産融資は堅めに慎重に考えるときりがないですが、もしやろうと考える時にはかなり厳しめに考えて下さい。素人が簡単に手を出したり、本業とは別で不動産収益を得ようと考えたりしても、結局はお金と時間を失うことになったりします。

最近ではユーチューバーで元メガバンクの銀行員が1億5千万円の不動産投資に失敗し自己破産したということがSNSで発信されてましたが、十分にあり得ることです。

銀行員として、不動産投資、収益物件を取得したいと言われて相談に来る方に対し、融資を断ったり、投資を止めてあげるということも重要な仕事であると感じています。銀行員は貸すだけが仕事ではないのです。

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