コロナ収束後について

銀行業界

コロナ収束後の日本企業について、銀行員として思うことについてお伝えします。財務、収支状況が良い会社が生き残るのではなく、長い目でみると外部環境変化に対応できる企業が生き残ると思います。また同様な経済危機、外部環境の悪化が起こるからです。優秀な経営者、従業員は柔軟な考え、判断、変化に対応できる人です。

今起きていること

コロナの影響は収束しつつありますが、すぐさま世界情勢悪化、インフラ、原材料高など外部環境の変化が大きく企業経営に影響を及ぼしています。コロナの影響がある中、更に悪化している業界。例えば飲食業、小売店など、一般的に不況の波を受けやすい業界があげられます。

売上の数量(客数)が下落、さらには高騰する仕入を最も販売単価に反映しにくいためです。大手企業よりも中小、零細企業には非常に厳しい環境になっています。しわ寄せは必ず川下に来るためです。

コロナの影響が受けにくかった業界、運送業、鉄鋼など素材関係の卸、水産などの食品卸、建築関係などが今最も原材料高騰の煽り、円安により大きな資金負担を負っています。建築単価もコロナ前と比較し1.5倍以上に跳ね上がっています。

石油価格高騰はあらゆる物流に影響を及ぼし、大きな重量物ほど影響が顕著にあらわれます。コロナで財務、収支が悪化して資金調達力が落ちている企業が多く、最近は銀行の支援も厳しい対応となってきつつあります。そのため運転資金というものが増加するほど企業の存続、資金繰りが危うくなってきます。

政府もコロナ特例リスケ制度という、企業の借入返済を猶予する制度を創出。かなり銀行などの債権者側が無条件とまではいかないが、コロナという事情を加味し配慮をして、顧客意向を受け入れないとならないものです。

コロナ融資で資金でばらまき、返せる見通しが少ない、業況回復が難しいと判断される企業にも融資をせざるを得ない状況を作り出し、債務の負担だけ増やして借金でより苦しむことになった企業、経営者をいくつもみています。

もっと早くに事業継続を断念するべきだったと後悔している経営者もいます。そんな状況を知らずについてきた従業員はもっと不幸だったかもしれません。

変わらなければならない日本

その地域にとって重要な役割、雇用創出、影響力を持つ企業、また外部環境に対して変化し、成長し続けられる企業を応援するべきです。

資本を投下する企業を選別し、言葉は過激かもしれませんが切り捨てるとこは切り捨てるべきです。金融庁の考えも時代と共に変化してきましたが、近年は弱者救済、金融機関を潰さないために配慮しすぎな側面も悪い影響が出ていると思います。

みんな平等に横並びで、一緒にでは世界との差は開くばかりです。優秀な人、秀でた人の足を引っ張り、失敗を笑う、若い挑戦の目を潰してはいけないです。

コロナの保証協会100%制度を一律6000万ばらまくよりも、スタートアップ企業、ベンチャー企業に10億ロットで投資してあげて欲しいと現場では思うことがよくあります。もったいないです。少なくとも自分のお金であればそのように使いたいって思う場面も多々あります。

リーマンショック後も、金融円滑化法という回復する見込みの少ない企業も支援するような政府の制度がありました、銀行にも要請が多くが対応しました。これもコロナ特例制度と同様、返済を猶予する制度です。弱者救済、延命措置です。

日本経済が弱体化するような制度です。その後、日本は今回のコロナが起こるまで成長していません。ずっと不況だったものが更に悪化しているという状況です。

日本は起業し、失敗しても再スタートできる環境、やり直せる、挑戦からの失敗を救済するような制度を考えるべきです。再チャレンジできる土壌や文化を根付かせて企業の代謝を促進していくべきだと思っています。

古い体質、歴史だけ長い企業、昔は儲かってた企業、経営者に魅力ない企業は救済するべきではないと思います、若い世代、柔軟、挑戦する意欲が削がれてしまうような環境を作り出しているだけです。日本の経済を高度成長期を作ってきた世代が自ら後退させているのです。そのような状況を少しでも変えていけたらと思います。

このつけは税金というもので、国民一人一人に降り掛かってきます。そんな日本の未来に嫌気をさした投資家や優秀な経営者は既に日本を脱出しています。日本人のお金を日本に自信を持って投資できないのです。

富裕層は必ず米国を中心とした海外の株式にお金を投資してしまってます。まだ今からでも日本を変化させ、強くすることを目指せるはずです。企業、経営者、従業員、政治、制度、根底に根付いた意識、考えなど、日本全体が環境に適応、変化していかなければなりません。

自分として今できることは企業の力をしっかりと見極め適正な融資をすること、将来の成長性のある分野や企業に積極的に接触し、対話を行いながら資金調達の方法を共に検討していくことなど、微力ながら力になりたいと思います。

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