新規開拓=営業ができる

銀行業界

銀行の新規開拓について、ご説明したいと思います。新規開拓のやり方は人それぞれ、王道はないといわれれますが、概ねやり方のパターンは分かれると思います。また銀行とそれ以外の業界での新規開拓で最も違う点は、決算書を必ず提出してもらい、取引を検討するということが前提になっていることです。

目的

どの銀行も新規開拓を推進します、それは既存の取引先だけでは貸出残高や収益を伸ばすことが困難になってきているからです。それはどの業界にも共通することです。余談ですが銀行が貸出残高、収益を伸ばすための方法は限られます、新規開拓、設備資金対応、他行肩代わり、能動的に行う方法は概ねこの3つです。

それでは銀行員は新規開拓を効率よく、効果的に行うために何をしているのか。まずはターゲティングです。まず考えるのが企業の業績です、ある一定の業績以上の会社しか狙いません、貸せない可能性があるからです。能動的に新規開拓をする際には一番に気をつける点です。

次にエリアです、他の支店とかぶらないエリア、遠方ではない、ターゲット先が集中している、既存の取引先の近隣であったり、同線上にあるなど、効率的かどうかを吟味します。

優秀な銀行員の意識、行動としては新規開拓を劣後の業務としないこと、新規開拓に取り組む時間を確保すること、1週間の中で新規開拓の日を決める、ルーティン化するなどがあります。

そして訪問する機会、顧客と接触できる時間をより増やすこと、まず第一の目的として決算書の提出を依頼し、了承してもらうこと。決算書の提出が不可であれば一旦は引き返すしかありません、何度か通って関係性を構築することで決算書を提出してくれる可能性があると判断できれば継続訪問するということになります。

これは担当者の判断、感覚、感度です。なのでまずは決算書を提出してもらうためにも円滑なコミュニケーションや、銀行員としての知識、この担当者に任せたい、取引をしたいと思わせることが必要になります。

決算書をもった後は何よりもスピードです。早めに顧客のニーズについて仮説をたて、複数の提案を行うことです。融資の提案+事業承継、ビジネスマッチング、外為、不動産情報などです。

成約角度の高い提案を行うためには、初回面談、決算書をもらうまでにどれだけ顧客の経営に対する考え方、想い、今後のビジョンなどをしっかりとヒアリングすることができるかです。私自身の考えは決算書の内容の細かく聞くよりも、当社の今後の中長期的な方針やビジョンをしっかりと共有できるかが重要と考えています。

決算書をもらってからの取引検討という意識ではなく、同時に提案をできるようなイメージを持って話をすることが重要になります。他の卸売業や製造業と違い、決算書の提出が必須となっている業界は銀行だけではないでしょうか。

それが当たり前との意識で新規開拓をやっていてはうまくいかないです。少しでも担当としての他の銀行の担当者との差別化をどうやって考えていくか、決算書をもらってから勝負ではありません。その会社に行き、経営者と対話をし、想像力を働かせ、取引イメージを持つことです。

最後に銀行にとって新規開拓は必須の業務です、私が今までの先輩、後輩、同僚で新規開拓ができる人で営業ができない人を見たことがありません。新規開拓が自身にとって得意となった時には、既存の取引先の対応は非常に楽に感じると思います。新規開拓は最終的には総合力が求められます。

具体的な方法

まず最初にあげられる方法として、テレアポです。

ターゲティングの時点で業績に問題ないと判断できる先を選定しているので、何十先とテレアポをしても不発に終わることもありますが、諦めないで継続的に行うことです。新規のテレアポの場合、新人もベテランの銀行員もそこまで差は出ません。話し方、話す内容が最低限問題なければ運次第というところです。

次にあげられる方法としては、飛び込み訪問です。

単独の飛び込み訪問は効果的ではないでしょう。既存の取引先の近隣に新規ターゲット先がある際などに飛び込み訪問をすることなどは有効だとは思います。

また飛び込み訪問のメリットとして会社の外観はもちろん、オフィス内の雰囲気、社員の活気、対応方法など、肌で感じられることです。違和感などを感じることもあるでしょう。

最後の方法として、紹介になります。

この紹介が、当然成約率までを考えると最も効果的な方法であると考えられます。紹介を依頼する先としては、既存の取引先、税理士、商工会議所、よろず支援拠点など、数多くあげられると思います。

新規開拓ができる営業担当者の腕はこの紹介を依頼できるパイプをいかに持つことができるか。欲をいえば優良な先を選定し紹介してくれる先です。会社名が一覧で記載されている顧客リストや会員名簿をみせてもらったりできる先があるとより強力な武器となります。

新規開拓に王道はないといいます。何度も失敗し、色々なやり方を試すことで自分に合った方法がみつかると思います。多くの新規開拓における成功体験を積むことが今後の仕事全般において良い波及効果を生むことは間違いないと思います。

どんな業界の営業でも、必ず新規開拓というものがついてまわります。自分自身の経験からも新規開拓がうまくいき始めると、営業というものに非常に自信を持つことができてきました。転勤後の2店舗目、営業になってからは5、6年目になってからだったと思います。

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